第1回ではDNSの基礎知識とメリット・デメリット、第2回では基礎用語と構築前の前提知識を解説してきました。最終回となる第3回は、構築の全体フロー、初心者がつまずきやすいポイント、そして運用・保守の考え方をお伝えします。初めてDNSサーバーの構築に取り組む方でも、この記事を読めば全体像がつかめるはずです。
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構築作業に入る前に、以下の情報を確認・決定しておきます。
この準備が不十分だと構築中に手戻りが発生します。料理と同じで、材料と道具を先に揃えることが大切です。特にドメイン名は後から変更すると影響が大きいため、慎重に決めましょう。
Windows Serverでは、サーバーの機能を「役割」という単位で追加します。サーバーマネージャー (GUI) またはPowerShell (コマンド) でインストールできます。GUI:画面を見ながら進められるため初心者向けです。PowerShell:コマンド1行で完了するため効率重視の方に向いています。どちらも結果は同じで、数分で完了し再起動も不要です。
インストール後、DNSサーバーが管理する「ゾーン」を作成します。正引きゾーン (必須) と逆引きゾーン (推奨) を作成し、種類はプライマリゾーン (このサーバーが大元として管理) を選択するのが基本です。Active Directory環境ではAD統合ゾーンを選択します。
ゾーンができたら、社内の機器情報をレコードとして登録します。Aレコード (ホスト名→IPアドレスの対応) とPTRレコード (IPアドレス→ホスト名の対応) が基本です。「server01 → 192.168.1.10」のように、サーバーやプリンター、NASなどを登録していきます。
社内DNSが知らない名前 (インターネット上のWebサイトなど) を問い合わせるための転送先を設定します。Google Public DNS (8.8.8.8) などを指定するのが一般的です。第2回で紹介したCloudflareやQuad9も候補になります。
設定完了後、nslookupやpingコマンドで正しく名前解決できるかテストします。
すべての確認項目でOKが出れば、構築は成功です。
動作確認後、社内のクライアントPCが新しいDNSサーバーを参照するよう設定を変更します。DHCPサーバーを使っている環境なら、DHCPの設定変更だけで全クライアントに自動反映されます。手動で設定する場合は、各PCのネットワーク設定でDNSサーバーのIPアドレスを指定します。
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工程 |
所要時間 (目安) |
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ステップ1:事前準備 |
30分〜1時間 |
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ステップ2:役割インストール |
5〜10分 |
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ステップ3:ゾーン作成 |
10〜15分 |
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ステップ4:レコード登録 |
15〜30分 |
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ステップ5:フォワーダー設定 |
5分 |
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ステップ6:動作確認 |
15〜30分 |
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ステップ7:クライアント設定 |
15〜30分 |
多くの初心者が同じところでつまずきます。あらかじめ知っておくことで、トラブルを未然に防ぎましょう。
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症状 |
疑うべきポイント |
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名前解決が全くできない |
DNSサービスの起動状態、固定IP設定 |
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社内は見えるが外部が見えない |
フォワーダー設定、ファイアウォール |
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特定のホストだけ見えない |
レコード登録漏れ、ゾーン名のミス |
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変更が反映されない |
クライアント側のキャッシュ (flushdns) |
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クライアントから接続できない |
ファイアウォール (ポート53)、クライアントDNS設定 |
DNSサーバーは「作って終わり」ではありません。安定した運用を続けるための保守も大切です。以下の5つのタスクを定期的に実施することで、安定稼働を維持できます。それぞれ具体的に見ていきましょう。
月の運用工数はおおむね1〜2時間程度です。仕組みを理解すれば、大きな負担にはなりません。
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タスク |
頻度 |
所要時間 |
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ログ確認 |
月1回 |
15〜30分 |
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レコード棚卸し |
半年に1回 |
30分〜1時間 |
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バックアップ |
月1回 + 変更時 |
10分 |
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セキュリティー確認 |
四半期に1回 |
15分 |
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Windows Update |
月1回 |
30分〜1時間 |
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回 |
テーマ |
キーポイント |
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第1回 |
DNSの基礎知識 |
DNSは「ネットワークの電話帳」。名前解決の仕組みとメリット・デメリット |
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第2回 |
基礎用語と前提知識 |
ゾーン・レコード・フォワーダーの理解。固定IPとドメイン名の準備 |
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第3回 |
構築フローと運用保守 |
7ステップの構築フロー。つまずきポイントと運用タスクの把握 |
全3回にわたってお読みいただき、ありがとうございました。DNSサーバーは最初は難しく感じるかもしれませんが、基礎を理解すれば社内ネットワーク管理の強力な武器になります。このシリーズが皆さんのDNSサーバーへの理解を深める一助となれば幸いです。構築の具体的な手順で不明な点があれば、お気軽にお問い合わせください。
それでは、快適なネットワーク環境づくりを応援しています!
横河レンタ・リース株式会社は日本ヒューレットパッカード社の Platinum パートナーとして、25年以上にわたり販売・提案・構築を支援してきました。HPEの最新技術と当社独自のノウハウを組み合わせ、DNSの設計から構築まで一貫して対応しています。保守管理の見直しや外注をご検討の際は、お気軽にご相談ください。
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