現代のビジネスにおいて、クラウド上にサーバーを構築する企業が急増しています。なかでもAWS (Amazon Web Services) は世界最大規模のクラウドプラットフォームとして、スタートアップから大企業まで多くの組織に選ばれています。しかし、AWSはサービスの数が非常に多く、構成パターンも多岐にわたるため「どこから手をつければよいのかわからない」という声も少なくありません。
本記事では、AWSサーバー構築の基本知識から具体的な手順、費用の考え方やセキュリティー対策まで詳しく解説します。
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AWSとは、Amazon Web Services の略で、Amazonが提供する世界最大規模のクラウドコンピューティングサービスです。サーバーやストレージ、データベースといったITインフラを、インターネット経由で必要な分だけ利用できる仕組みを指します。
物理的な機器を自社で購入・設置する必要がなく、Webブラウザー上の操作だけで数分のうちに仮想サーバーを立ち上げられる手軽さが特長です。
提供サービスは200種類以上にのぼり、東京リージョンをはじめ世界各地にデータセンターを展開しています。
オンプレミス (自社設置型) と比較した場合、AWSでサーバーを構築するメリットは大きく3つあります。
AWSは従量課金制を採用しているため、物理サーバーの購入費用が不要です。
必要なリソースを必要な時間だけ利用し、使った分だけ支払えばよい仕組みになっています。
さらに、新規アカウントには12カ月間の無料利用枠が用意されており、t2.microなどの小規模インスタンスを無料で試す事も可能です。
小規模にスタートし、ビジネスの成長に合わせて段階的に拡張できるため、初期投資のリスクを大幅に軽減できます。
アクセスが集中する時間帯にはサーバーを自動で増強し、負荷が下がれば縮小するといった柔軟な運用が可能です。
Auto Scaling 機能を活用すれば、トラフィックの増減に合わせてリソースを最適化し、コストとパフォーマンスを両立できます。
オンプレミスでは数週間かかるサーバーの増設も、AWSなら数分で完了します。
さらに、複数のAvailability Zone (アベイラビリティゾーン) にまたがる構成を取れば、災害や障害への耐性も高められます。
AWSは、ISO 27001やSOCレポート、PCI DSSなど、数多くの国際的なセキュリティー認証を取得しています。
データセンターの物理的な保護からネットワーク監視まで、世界トップクラスのセキュリティー基盤が標準で提供されます。
ユーザーはこの堅牢な基盤の上に、自社の要件に合わせたセキュリティー設定を追加する事で、高い安全性を確保できます。
AWSには200以上のサービスがありますが、サーバー構築で中心となるのは以下の4つです。
Amazon VPC (Virtual Private Cloud) は、AWS上に自分専用の仮想ネットワーク空間を作るサービスです。
IPアドレスの範囲やサブネットを自由に設計でき、外部に公開する領域と内部だけで使う領域を明確に分離できます。
Internet Gatewayをアタッチする事でインターネットとの双方向通信が可能になり、Webサーバーの公開にも対応できます。
オンプレミスでいうところの自社専用ネットワークに相当し、セキュリティーの土台となる重要な要素です。
Amazon EC2 (Elastic Compute Cloud) は、クラウド上で仮想サーバーを提供する中核サービスです。
用途に応じてCPUやメモリのスペックを選択でき、LinuxやWindows Serverなど複数のOSに対応しています。
インスタンスタイプは汎用型からメモリ最適化型まで豊富に揃っており、ワークロードに合った性能を選べます。
インスタンスと呼ばれる仮想マシンを数分で起動でき、Webサーバーやアプリケーションサーバーとして活用されます。
Amazon RDS (Relational Database Service) は、データベースの構築・運用を効率化するマネージドサービスです。
MySQLやPostgreSQLなど主要なデータベースエンジンに対応しており、バックアップやパッチ適用をAWS側が自動で実行してくれます。
運用負荷を大幅に軽減できるため、データベース管理の専門人材が不足している企業にも適しています。
Amazon S3 (Simple Storage Service) は、画像やドキュメント、ログファイルなどを保管するためのストレージサービスです。
保存できるデータ量に実質的な上限がなく、高い耐久性と可用性を備えています。
バックアップの保存先や静的コンテンツの配信元としても幅広く活用されています。
AWSでサーバーを構築する際の一般的な流れを5つのステップで紹介します。
最初に、サーバーの利用目的や想定アクセス数、可用性要件、セキュリティー要件を明確にします。
「何人のユーザーが利用するのか」「どの程度の停止時間が許容されるのか」といった具体的な条件を洗い出す事が、後の設計精度を大きく左右します。
あわせて予算やスケジュールの上限も確認し、プロジェクト全体の方向性を固めましょう。
VPCを作成し、サブネットやルートテーブル、Internet Gatewayを設定してネットワーク環境を整えます。
パブリックサブネット (外部公開用) とプライベートサブネット (内部通信用) を分ける事で、セキュリティーを高めた構成が実現できます。
この段階でセキュリティーグループやネットワークACLのルールも設計しておくと、後工程がスムーズです。
EC2インスタンスを起動し、OSの初期設定やWebサーバーソフトのインストールを行います。
セキュリティーグループでアクセス制御を設定し、必要に応じてRDSやS3と連携させます。
キーペアの管理やIAMユーザーの権限設定もこの段階で実施します。
外部からのアクセスにはElastic IPの割り当てやロードバランサー (ALB) の配置を検討しましょう。
構築した環境が設計通りに動作するかを検証します。
機能テストに加えて、負荷テストやセキュリティーチェックも欠かせません。
障害発生時にバックアップから復旧できるかどうかも確認しておきましょう。
テストが完了したら本番稼働に移行します。
Amazon CloudWatchによる監視設定やアラート通知を整え、日々の稼働状況を可視化する事が安定運用の鍵です。
定期的なOSパッチの適用やコストの見直しも運用フェーズの重要な作業です。
長期利用が見込まれる場合は、Reserved InstancesやSavings Plansを活用する事で大幅なコスト削減が期待できます。
AWSは便利なサービスですが、導入時にはいくつかの注意点があります。
AWSは従量課金制のため、使い方次第で想定以上のコストが発生する場合があります。
特に、不要なインスタンスの停止忘れやデータ転送量の見落としは高額請求の原因になりがちです。
AWS Pricing Calculatorで事前に見積もりを行い、AWS Budgetsで予算アラートを設定しておく事を強く推奨します。
常時稼働するサーバーにはReserved InstancesやSavings Plansを適用すると、オンデマンド料金と比較して最大72%のコスト削減が可能です。
AWSでは「責任共有モデル」が採用されており、OSやアプリケーションのセキュリティーはユーザー側の責任です。
IAMユーザーへの最小権限の付与、多要素認証 (MFA) の有効化、セキュリティーグループの適切な設定は最低限実施してください。
さらにAWS CloudTrailを有効にしておけば、誰がいつどのような操作を行ったかの監査ログを自動で記録できます。
「クラウドだから安全」という思い込みは、重大なインシデントにつながりかねません。
サーバーは構築して終わりではなく、継続的な監視と保守が不可欠です。
社内にAWSの専門知識を持つ人材がいない場合は、AWS認定パートナーへの運用委託も選択肢に入れましょう。
障害対応フローやバックアップポリシーを事前に策定しておく事で、万が一のトラブルにも迅速に対処できます。
運用ルールをドキュメント化し、チーム全体で共有しておく事も安定稼働には欠かせません。
AWSでのサーバー構築は、初期費用の低さや柔軟なスケーリング、強固なセキュリティー基盤といった多くのメリットを持つ一方で、料金管理やセキュリティー設定、運用体制の整備には十分な注意が必要です。
このようなクラウドインフラの構築・運用パートナーとして、私たち横河レンタ・リース株式会社は日本ヒューレット・パッカード (HPE) の最上位パートナーである「Platinum Partner」として、25年以上にわたり国内トップクラスの実績を築いてきました。
最新のテクノロジーと当社独自の技術を融合させ、要件定義から構築、運用支援までお客さまのビジネスに最適な環境を、確かな品質で提供します。
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