サーバーを新しく導入する、あるいは更改するとき、「ラック型とタワー型のどちらにするか」で迷う調達担当者は少なくありません。カタログを見ると形状やスペックの違いは分かりますが、それだけでは自社にどちらが合うのかを判断しにくいものです。
実際には、この選択は見た目や性能よりも、設置する環境や運用のしやすさに大きく左右されます。サーバールームがあるのか、何台置くのか、執務室に設置するのか、将来増設する見込みはあるのか。こうした条件を踏まえずに形状だけで決めると、導入後に電源工事が必要になったり、騒音や発熱が問題になったりすることがあります。
本記事では、ラックサーバーとタワーサーバーの違いを、設置・電源・騒音・保守・拡張性という実務の軸で比較し、それぞれが向くケースと注意点を整理します。読み終えたときに、自社の環境からどちらが適するかを判断できる状態を目指します。
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要点として、ラック型とタワー型の選択は、形状やスペックの比較だけでは決まらず、設置する環境と運用まで含めて考える必要があります。
ラックサーバーは、サーバーラックと呼ばれる棚に収納する横長の機器で、複数台を積み重ねて集約できます。タワーサーバーは、デスクトップパソコンを大きくしたような縦置きの機器で、単体で設置できます。この形状の違いはカタログを見ればすぐに分かりますが、判断が難しいのはここから先です。
調達担当者が迷いやすいのは、「省スペースだからラックがよい」といった一面的な情報で決めてしまう点です。たしかにラックは機器を縦に集約できますが、それはサーバーラックという専用の設備があってこその話です。ラックを新たに用意するには、ラック本体の費用に加え、設置スペースや電源、場合によっては空調の手当ても必要になります。1〜2台しか置かないのであれば、ラック設備の費用が機器本体より重くのしかかることもあります。
判断ポイントは、形状の特徴を、自社の設置環境と運用体制に当てはめて考えられているかどうかです。省スペースや集約といった言葉だけで判断すると、実際の設置段階で想定外の費用や工事が発生しやすくなります。
要点として、ラック型とタワー型は、設置設備・電源・騒音・保守のそれぞれで実務上の違いがあり、これらを並べて見ることで自社への向き不向きが見えてきます。
両者の違いを実務の観点で整理すると、次のようになります。
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比較軸 |
ラックサーバー |
タワーサーバー |
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設置設備 |
サーバーラックが前提。ラック費用と設置場所が必要 |
単体で設置でき、専用設備は不要 |
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設置場所 |
サーバールームやラックのある場所が前提 |
執務室や空きスペースにも置きやすい |
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電源 |
集約時は電源容量の確保が必要 |
一般的なコンセントで設置しやすい場合が多い |
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騒音・発熱 |
サーバールーム設置が前提で気になりにくい |
執務室設置では騒音や発熱が問題になることがある |
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拡張性 |
台数を集約しやすく、多数台に向く |
単体利用が中心で、多数台の集約には不向き |
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保守性 |
ラック内で管理でき、多数台の保守を効率化しやすい |
台数が少なければ個別管理で十分な場合がある |
判断ポイントは、これらの軸のうち自社にとって制約になるものはどれか、を見極めることです。たとえばサーバールームがなく執務室に置くしかない環境では、騒音や発熱が現実的な問題になります。一方で、すでにラック設備があり複数台を運用しているなら、ラック型で集約するほうが管理しやすくなります。
注意点として、ラック型を選ぶ場合はラック本体だけでなく、電源容量や空調の条件も確認しておく必要があります。現場では、ラックサーバーを導入したあとで電源工事や分電盤の増設が必要と判明し、想定外の費用と工期が発生する、という話も起こります。設置環境の確認を後回しにすると、こうした手戻りにつながりやすくなります。
要点として、将来サーバーが増える見込みがあるかどうかは、形状選びに大きく影響します。
現時点で必要な台数だけを見て選ぶと、後から増設する段階で困ることがあります。タワーサーバーは単体設置に向いていますが、台数が増えてくると、それぞれが場所を取り、電源やケーブルの取り回し、保守の手間も台数分だけ増えていきます。数台までは問題なくても、規模が大きくなるとラックで集約したほうが管理しやすくなる、という分岐点が出てきます。
判断ポイントは、今後の台数増加をどの程度見込むかです。目安としては、1〜2台で当面増える予定がなければタワー型、複数台を運用する、あるいは今後の増設が見込まれるならラック型が考えやすい選択になります。ただしこれはあくまで目安であり、設置環境によって適した選択は変わります。
注意点として、拡張性を重視してラックを先に用意しても、実際には台数が増えず、ラック設備が過剰投資になることもあります。逆に、増設の見込みを甘く見てタワーを選び、後からラックへ移行して二重の費用が発生することもあります。将来の見込みには不確実さがつきまとうため、現時点で確度の高い範囲で判断し、過度に先回りしすぎないことも一つの考え方です。
要点として、ラック型とタワー型はどちらが優れているというものではなく、自社の設置環境と運用体制によって向き不向きが分かれます。
向いている:サーバールームやラック設備がすでにあり、複数台を集約して運用したい場合。今後の増設も見込まれる場合。
向いていない:設置台数が少なく、ラック設備を新たに用意する費用に見合わない場合。
向いている:設置台数が少なく、サーバールームがない環境で、執務室や空きスペースに置きたい場合。
向いていない:多数台を運用し、集約による管理の効率化を重視する場合。執務室設置で騒音・発熱が許容できない場合。
選定を進めるときは、次の順序で確認すると整理しやすくなります。まず設置環境 (サーバールームやラックの有無、設置場所) を確認し、次に必要な台数と今後の増設見込みを見積もり、そのうえで電源や空調といった設備条件を確かめます。形状はこれらの条件から逆算して決めるのが現実的です。
ここで見落とされやすいのが、機器を選んだ後の運用と保守です。台数が増えれば、誰がどう管理するかという体制の問題が出てきます。ラックで集約すれば物理的な管理はしやすくなりますが、それだけで運用の手間がなくなるわけではありません。形状の選択と並行して、導入後の運用をどう回すかも考えておくことが望ましいでしょう。
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環境によって異なります。サーバールームやラック設備があり複数台を集約するならラック型、設置台数が少なくサーバールームがないならタワー型が考えやすい選択です。形状の特徴ではなく、自社の設置環境と台数から判断することが現実的です。
使える場合もありますが、事前確認が必要です。ラックサーバーはサーバーラックを前提とするため、ラック本体の設置場所、電源容量、騒音や発熱への対処を確認する必要があります。少数台で専用設備がない環境では、タワー型のほうが設置しやすい場合があります。
増設の見込みが確かであれば、集約しやすいラック型が向いていることがあります。ただし、増設の確度が低い段階でラック設備を用意すると過剰投資になることもあるため、現時点で確度の高い範囲で判断することが望ましいでしょう。
台数や環境によります。少数台であれば執務室設置も選択肢になりますが、機種によっては稼働音や発熱が気になることがあります。設置場所の環境と、周囲への影響を事前に確認しておくことが必要です。
ラックサーバーとタワーサーバーの選択は、形状やスペックの比較ではなく、設置環境と運用から考えることが要点になります。この記事の要点を整理すると、次のとおりです。
形状の違いだけで選ぶと、設置段階で電源工事や設備費用などの想定外が生じやすい
比較の軸は、設置設備・電源・騒音・保守・拡張性
サーバールームがあり集約・多数台ならラック型、少数台でサーバールームがなければタワー型が目安
将来の増設見込みは判断に影響するが、過度な先回りは過剰投資につながる
形状の選択と並行して、導入後の運用・保守体制も考えておく
まず設置環境と台数を確認し、そこから形状を逆算する。この順序で進めることが、導入後の手戻りを避けるための現実的な進め方と考えられます。
ラック型とタワー型のどちらが自社の設置環境に合うか判断が難しい場合は、設置条件や台数を踏まえて構成を確認するという選択肢もあります。機器の選定と並行して、設置や運用の進め方を相談することもできます。
横河レンタ・リース株式会社では、日本ヒューレット・パッカード社のPlatinumパートナーとして、IT 機器のレンタル・販売に加え、サーバーの調達から構築、運用保守までを組み合わせて提供しています。ラック型とタワー型の選定や設置環境の確認を自社だけで進めるのが難しい場合は、現状の整理やご相談から始める選択肢もございます。お客さまのIT基盤に合わせてワンストップでのご支援も可能となっていますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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