「サーバーの応答が以前より重い」「ベンダーから保守終了の通知が届いた」「運用がベテラン担当者 1 人に集中している」 - こうした状態が当たり前になっている現場は、決して珍しくありません。背景には、IT インフラの見直しが部分的な機器交換にとどまり、設計から組み上げ直す判断が後回しになっている事情があります。
IT インフラ構築は、機器を選んで入れ替える作業ではなく、業務要件、運用体制、EOL、属人化、将来の拡張性を踏まえて判断を積み重ねる行為です。
本記事では、現場で起きていることの整理から、構築と整備・更新の違い、見直しが必要になる理由、構成要素、6 つの進め方、オンプレミス・クラウド・ハイブリッドの選び分け、自社構築と外部委託の分担、EOL を起点とした現実、構築前のチェックリスト、そして「構築だけでは解決しない領域」までを取り上げます。中小企業の情シス担当者が、自社の状態に当てはめて判断材料として使える視点を、できるだけ現場目線で整理しました。
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「サーバーの応答が以前より重い」「ベンダーから保守終了の通知が届いた」「ネットワーク機器のリプレース時期が迫っている」 - こうした会話が社内で増え始めたとき、IT インフラ構築という言葉が情シスの会議に並ぶようになります。
ただ、現場で起きていることはもっと細かい話です。月末になるとファイルサーバーが急に遅くなる。VPN がつながりにくく、テレワーク中の社員から問い合わせが入る。バックアップは取れているはずだが、復元テストはここ数年実施していない。ベテラン担当者がいないと、設定変更の判断が止まる。こうした状態が常態化している現場は少なくありません。
このとき迷いやすいのは、「目の前の機器を入れ替えれば済むのか」「もっと全体を作り直すべきなのか」という線引きです。保守切れの機器だけを置き換えれば短期的には収まりますが、構成そのものが古いまま残ると、数年後に同じ問題が再発します。一方で、全面的に作り直すには予算も体制も足りない、というのが中小企業の情シスにとって現実的な悩みでしょう。
IT インフラ構築という言葉に向き合うタイミングは、多くの場合「機器更新の通知」や「現場の不満の蓄積」から始まります。まずは、自社が今どちらの状態に近いのかを、落ち着いて見極めるところから始めるのが現実的です。
IT インフラ構築は、サーバーやネットワーク機器を購入して設置することではありません。業務に必要な要件を整理し、ハードウェア・ソフトウェア・ネットワーク・セキュリティー・運用体制を一つの基盤として設計し、組み上げ、引き渡せる状態にするまでの一連の作業を指します。
似た言葉が複数あり、混同されやすいので、ここで一度切り分けておきます。
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用語 |
主な意味 |
主な対象範囲 |
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構築 |
新規または刷新の前提で、設計から組み上げまでを一括で行う |
サーバー、ネットワーク、認証、運用設計など基盤全体 |
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整備 |
既存環境を維持しながら、全体を見直して整える |
棚卸し、設定見直し、運用ルールの整理を含む |
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更新 ( リプレース ) |
EOL や保守切れに合わせて、機器単位で置き換える |
個別のサーバー、ストレージ、ネットワーク機器など |
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運用 |
構築後に、安定稼働を維持するための日常業務 |
監視、障害対応、変更管理、定期点検 |
ここで押さえておきたいのは、構築は「機器を入れて終わり」ではなく、運用への引き継ぎまで含めて初めて完了するという点です。設計時に運用ルールや担当者の役割を組み込んでおかないと、構築直後はうまく動いていても、半年後には設定が分からなくなり、属人化が再発する、というケースもあります。
「整備」については別記事で扱っていますが、整備が「全体を見直して整える」のに対し、構築は「設計から組み上げる」という点で性格が異なります。現状の延長で改善したいのか、設計から作り直したいのか - この問いに自社がどちらで答えるかによって、選ぶべき進め方も変わってきます。
「壊れていないなら、しばらくこのままで」という判断は、短期的には合理的に見えます。ただ、IT インフラに関しては、見直しを後回しにすることで生じる負担が、時間の経過とともに静かに積み上がる傾向があります。理由はいくつか整理できます。
ひとつは、EOL ( 販売終了 ) や EOSL ( 保守完全終了 ) のタイミングです。保守が切れた機器は、故障時に部品が手に入らず、復旧に数日かかることがあります。業務が止まる時間が長くなるほど、現場の負荷も、取引先への影響も大きくなります。「まだ動いているから」と判断を先送りにした結果、故障時に慌てて手配することになり、選択肢が狭まる - こうしたケースは、構築計画を立てていないからこそ起きやすいと言えます。
もうひとつは、属人化と運用負荷です。長年同じ担当者が支えてきた環境は、その担当者が異動・退職した瞬間に、誰も触れない状態になることがあります。設定変更の判断が止まり、障害時の一次対応も遅れる。構築フェーズで運用設計を組み込んでおかなかった環境では、こうしたリスクが避けにくくなります。
加えて、クラウド利用の拡大や働き方の変化も、構築の見直しを後押ししています。社内に閉じた基盤を前提とした構成のままでは、外部サービスとの連携、テレワーク環境、セキュリティー要件の変化に対応しきれない場面が出てきます。
ただし、ここで気をつけたいのは、構築を見直せばすべての課題が解決するわけではないという点です。属人化や運用ルールの不在は、機器を新しくしただけでは消えません。「なぜ今、見直すのか」を整理しておかないと、構築後に同じ課題が形を変えて再発します。
見直しのきっかけは、保守通知のような明確な期限であることもあれば、現場の不満の蓄積であることもあります。どちらの場合も、「何を解決したいのか」を先に言語化してから動くことで、無駄な投資と必要な投資を切り分けやすくなります。
構築の対象は、機器単体ではなく、業務を支える基盤全体です。要素を並べただけでは判断には足りないので、ここでは各要素について「どこで迷いやすいか」を併記します。
業務システム、ファイル共有、認証など、社内の処理を担う中心的な存在です。物理サーバーか仮想化基盤か、オンプレミスかクラウドかの選択が、その後の運用負荷と更新サイクルに大きく影響します。迷いやすいのは「現在の利用状況に合わせるか、3 〜 5 年後の拡張を見込むか」の線引きです。
データ容量の増加ペース、復元にかけられる時間、世代管理の要件によって、選ぶべき構成が変わります。「バックアップは取れているが復元テストは未実施」という状態は、構築フェーズで設計に組み込まないと放置されがちな論点です。
拠点間通信、無線 LAN、インターネット回線、VPN を、利用人数と通信量に合わせて設計します。クラウド利用が増えると、社内 LAN よりインターネット側の帯域がボトルネックになることがあり、回線契約の見直しが必要になる場面もあります。
端末の性能、OS の更新状況、資産管理の仕組みが対象です。構築時に端末側の運用ルール ( キッティング、配布、回収、廃棄 ) を決めておかないと、運用フェーズで属人化しやすい領域です。
ファイアウォール、エンドポイント対策、メール対策、認証基盤、ログ管理など、層ごとに考えます。「機器を入れただけで安全になる」わけではなく、運用ルールと組み合わせて初めて機能する点に注意が必要です。
Active Directory やクラウド ID サービスを軸に、入退社時のアカウント発行・削除、権限の見直しを設計します。構築時に見落とすと、退職者のアカウントが残り続けるなど、セキュリティー上の穴になりやすい部分です。
サーバー、ネットワーク、業務システムの稼働状況を可視化し、異常検知と一次対応につなげます。構築フェーズで監視設計を後回しにすると、運用開始後に「何が起きているか分からない」状態になりやすい領域です。
要素を一つずつ最適化しても、それらがつながっていなければ全体は機能しません。構築では「個別最適より、要素間のつながり」を見る視点が欠かせません。
進め方を理解するだけでは判断はできません。各フェーズで何を決め、どこで迷いやすいのかを併記します。
機器、契約、ライセンス、ネットワーク構成、運用ルール、担当者の役割を、現時点の状態として整理します。見落とされやすいのは「ドキュメントに残っていない、担当者の頭の中だけにある情報」です。ここを文書化しないと、設計フェーズで前提が崩れます。
業務上の目的、可用性、セキュリティー、運用体制、予算、スケジュールを言語化します。見落とされやすいのは「運用担当者の工数」です。新しい基盤を入れても、運用に充てられる人員が変わらなければ、負荷は減りません。
構成図、ネットワーク図、セキュリティー設計、運用設計、移行計画を作成します。見落とされやすいのは「障害時の連絡体制と一次対応フロー」で、設計時に決めておかないと、構築後の運用で混乱が生じます。
機器、ライセンス、回線、クラウドサービスを手配します。見落とされやすいのは「納期と保守開始日のずれ」です。機器が届いてから保守契約が始まるまでに空白期間が生じることがあり、移行計画に影響します。
キッティング、設定、データ移行、業務切り替えを実施します。見落とされやすいのは「切り戻し計画」です。移行が失敗した場合に旧環境へ戻せる手順を準備しておかないと、業務が長時間止まるリスクがあります。
運用手順書、監視ルール、変更管理、障害対応フローを引き渡します。見落とされやすいのは「引き継ぎを口頭で済ませてしまうこと」で、ドキュメントが残らないと、構築直後から属人化が始まります。
中小企業の情シスは 1 〜 2 名体制であることも多く、すべてのフェーズを自社だけで担うのは現実的でない場面もあります。どこを内製し、どこを外部に任せるかは、次の H2-7 で扱います。
「クラウドに移行すれば運用負荷は下がる」と言われがちですが、実際にはケースによります。3 つの形を、判断軸で対比します。
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観点 |
オンプレミス |
クラウド |
ハイブリッド |
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コスト構造 |
初期投資が大きい、更新時にまとまった費用 |
月額型、利用量に応じて変動 |
領域ごとに分かれる |
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運用負荷 |
自社対応の比重が大きい |
サービス側に寄せられる範囲が広い |
切り分けが必要 |
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データ所在 |
自社管理 |
サービス提供者の環境 |
業務単位で分けられる |
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拡張性 |
機器調達が必要、時間がかかる |
短期間で拡張可能 |
領域による |
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法令・取引先要件 |
制約に合わせやすい |
要件の確認が必要 |
領域ごとに対応 |
既存の業務システムがクラウド移行に対応していない
法令や取引先要件で、データの所在が指定されている
拠点の回線条件が安定せず、クラウド利用が現実的でない
既存資産の減価償却が残っており、当面の更新負担を抑えたい
利用人数や処理量の変動が大きく、機器調達のリードタイムが負担になる
テレワーク・拠点間連携を前提に、社内外問わずアクセスしたい
機器の保守・運用に充てられる人員が限られている
機微なデータはオンプレ、業務アプリやファイル共有はクラウド、といった切り分けが必要
段階的な移行を前提に、一定期間は併存させたい
どの形にも向き不向きがあり、「クラウドに移行すれば必ず楽になる」とも、「オンプレで残しておけば安全」とも言い切れません。自社の業務、データ、体制、回線条件を踏まえて、領域ごとに判断するのが現実的です。
体制面の判断も、構築の成否に影響します。「全部任せる」「全部内製する」のどちらかに寄せるのではなく、フェーズごとに分担を考えるのが現実的です。
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フェーズ |
内製しやすい範囲 |
外部に任せやすい範囲 |
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現状把握 |
現場ヒアリング、業務要件の整理 |
機器・ネットワークの技術的な棚卸し |
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要件定義 |
業務上の優先順位の判断 |
技術要件への翻訳、構成案の比較 |
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設計 |
業務との整合性チェック |
詳細設計、構成図作成 |
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調達 |
予算・契約条件の判断 |
機器選定、見積取得 |
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構築・移行 |
業務側の切り替え判断 |
キッティング、設定、データ移行 |
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運用 |
一次受付、変更要望の取りまとめ |
監視、保守、二次対応 |
「内製した方が安い」は短期的には正しいが、属人化のリスクが残ることが多い
「全部任せれば楽」も、要件を伝える役割は社内に残るため、丸投げは難しい
担当者の退職・異動時に、外部委託先がドキュメントを保持していれば引き継ぎが楽になる、という観点もある
「自社の体制で持続的に回せるか」を基準にすると、分担の落としどころが見えやすくなります。
構築の検討は、保守切れの通知をきっかけに始まることが少なくありません。ここでは、その現実に即した整理をしておきます。
EOL ( End of Life ):販売・出荷の終了
EOSL ( End of Service Life ):保守・サポートの完全終了
EOL の段階ではまだ保守を受けられるケースもありますが、EOSL を過ぎると、故障時に部品供給や技術サポートが受けられなくなります。
保守切れに直面したとき、現場で取り得る選択肢は、おおむね 3 つに整理できます。
延長保守で粘る:第三者保守などを活用し、当面の延命を図る
同等品に置き換える:構成は維持したまま、機器のみリプレース
構成そのものを見直す:クラウド化、仮想化、構成の再設計を含めて作り直す
どれが正解かは、業務影響、予算、担当者の工数、今後の事業計画によって変わります。「期限ありき」で計画を立てると、本来検討すべき構成の見直しが後回しになる点には注意が必要です。
機器を自社で購入・保有するのではなく、レンタル・リースを使って、更新サイクルを定期的に回す方法もあります。所有にこだわらないことで、EOL のたびにまとまった投資判断を迫られる構造から、定期的な更新を前提とした計画的な運用に移行しやすくなる、という見方もできます。
ただし、これも自社の財務方針や利用期間によって向き不向きがあり、一概に有利とは言い切れません。
ここまでの内容を踏まえ、構築フェーズに入る前に整理しておきたい項目を、チェックリスト形式でまとめます。社内稟議や、外部相談の準備にも使える粒度を意識しています。
サーバー、ストレージ、ネットワーク機器の一覧と、それぞれの導入年・保守期限
業務システム、クラウドサービス、ライセンスの利用状況
バックアップの取得状況と、直近の復元テスト実施日
ネットワーク構成図、認証基盤の構成
運用ルール、障害対応フロー、変更管理の手順
構築の目的 ( EOL 対応、運用負荷軽減、クラウド移行、セキュリティー強化など )
業務上の優先順位 ( 止めたくない業務、許容できる停止時間 )
セキュリティー要件 ( 法令、取引先要件、社内規程 )
拡張性の見通し ( 利用人数、データ量の増加ペース )
構築に充てられる社内工数
運用フェーズに充てられる人員と役割
予算規模 ( 初期投資と、運用期間の総コスト )
内製範囲と外部委託範囲の想定
既存機器の退役計画 ( データ消去、廃棄、リース返却 )
移行時の業務停止許容時間
切り戻し手順の準備
すべての項目が埋まっていなければ進められない、というわけではありません。「どこが埋まっていて、どこが空白か」を可視化しておくだけでも、判断の精度は変わってきます。
ここは、構築を検討するときにもっとも見落とされやすい論点です。
新しい機器を入れ、クラウドへ移行し、運用監視を整えたとしても、次のような領域は、構築だけでは解消しません。
属人化:設定の判断基準が、担当者の経験と暗黙知に依存している
ドキュメント不足:構成図、手順書、変更履歴が残されていない
運用ルールの不在:障害時の連絡体制、変更管理、定期点検の頻度が定まっていない
役割分担の曖昧さ:誰がどこまで対応するのかが、現場任せになっている
これらは、機器の刷新よりも、運用設計と人の役割整理の問題です。構築フェーズで合わせて手をつけないと、新しい基盤の上で同じ属人化が再発します。
外部の支援を活用するという選択肢もあります。設計・構築だけでなく、運用設計やドキュメント整備までを含めて相談先を選ぶと、構築後の運用が回りやすくなるという見方もできます。ただし、外部に任せたからといって、社内の役割整理まで自動的に進むわけではありません。「構築 + 運用設計 + 人の役割整理」の 3 つが揃って初めて、現場の課題が動き始めるという前提は、押さえておきたいところです。
ツールも、サービスも、外部委託も、それぞれ有効な手段ではありますが、万能ではない。この前提を持って構築に臨めるかどうかで、5 年後の運用の姿は変わってきます。
構築は、設計から組み上げまでを一括で行う作業で、新規導入や全面刷新の場面で使われます。整備は、既存環境を維持しながら全体を見直して整える作業で、棚卸しや運用ルールの整理を含みます。「現状の延長で改善したい」のか「設計から作り直したい」のかを起点に切り分けると判断しやすくなります。
ケースによります。クラウドは機器調達や物理保守の負担を減らせる一方、アカウント管理、コスト管理、サービス間連携、セキュリティー設定の運用は新たに発生します。社内に閉じた基盤の運用とは性質が変わる、という認識が前提です。「クラウドにすれば楽になる」と単純化せず、領域ごとに向き不向きを判断するのが現実的です。
まずは現状把握 ( 棚卸し ) から始めるのが現実的です。機器の一覧、保守期限、業務システムの利用状況、運用ルールを文書化するだけでも、判断の土台になります。すべてを自社で抱える必要はなく、棚卸し後に「内製する範囲」と「外部に任せる範囲」を切り分けると、限られた人員でも進めやすくなります。
急ぐ前に、「同等品に置き換える」「延長保守で粘る」「構成そのものを見直す」の 3 つの選択肢を整理することをおすすめします。期限に追われて同等品リプレースに走ると、本来検討すべき構成の見直しが後回しになりがちです。業務影響、予算、今後の事業計画を踏まえて判断する余地があれば、その時間を確保するのが先決です。
完全な丸投げは難しい、というのが実情です。業務上の優先順位、止めたくない業務、運用ルールの判断は、社内に残ります。外部に任せやすいのは技術要件への翻訳、構成案の比較、詳細設計、構築・移行、運用監視などです。要件を伝える役割と判断する役割は社内に残る、という前提で分担を考えると、現実的な落としどころが見えてきます。
IT インフラ構築は、機器を選んで組み立てる作業ではなく、業務、運用、体制、予算、将来の見通しを踏まえて、複数の判断を積み重ねる行為です。
機器の更新で済ませるか、構成を見直すか
オンプレミスを継続するか、クラウドへ移すか
自社で構築するか、外部に任せるか
期限に追われて動くか、計画的に進めるか
これらの判断に唯一の正解はなく、自社の状況によって最適解が変わります。本記事で取り上げた構成要素、進め方、判断軸、チェックリストが、自社の状態を見直すための手がかりになれば幸いです。
なお、判断材料の整理や、構築後の運用設計まで含めて検討する場面では、外部の知見を借りるのも選択肢の 1 つです。
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この記事を書いた人
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