みなさんの会社では、IT資産の棚卸しは行っていますか?
サーバー。
ネットワーク機器。
ラック。
保守機器。
毎年きちんと管理している会社も多いと思います。
これは、ある会社で毎年繰り返されている話です。
その会社では毎年年度末になると、新人社員が資産棚卸しを担当する決まりでした。
今年担当になったAさんは、先輩から1つのファイルを渡されます。
ファイル名:資産管理最新版_final_fix.xlsx
Aさんは少し嫌な予感がしつつ中を開きます。
サーバ一覧。
スイッチ一覧。
ラック一覧。
数百件あります。
「このExcelと現物を照合してね」
簡単な仕事だと、そう思っていました。
Aさんはデータセンターへ向かいます。
一台。
二台。
三台。
四台。
……。
機器の数が多く、棚卸が終わるころにはすっかり日が暮れていました。
しかし最後、数が合いません。
台帳には100台の機器が記載されていますが、現地は99台しかなく、1台足りません。
AさんはExcelを見直しました。
すると備考欄に小さく書いてありました。
移設済み?
廃棄済み?
確認中
Aさんは少し怖くなりました。
その時、後ろから先輩が言いました。
「毎年1台足りないんだよ」
数秒沈黙の後。
「でも次の年になると、なぜか別の機器が増えてる」
今でも年度末になると、新人たちの数える声が聞こえるそうです。
一台。
二台。
三台。
……。
そして最後に、必ず無念そうな声でこう言うそうです。
「一台、足りない…」
この怪異の正体:Excel構成管理
危険度:★★★☆☆
更新忘れ、手修正、別名保存、そして「最新版_final_fix」によって発生する管理型怪異です。
台帳更新が現場運用に追いつかなくなると、いつの間にか管理対象外の機器が発生します。
その結果、シャドーIT (情シスが把握していないIT資産) 化した機器や、存在を忘れられたサーバーが生まれます。気づかないうちに、セキュリティリスクや、ランサムウェア (身代金要求型のマルウェア) 侵入時の踏み台になる場合があります。
なお、この怪異は定期的な資産棚卸によって発見されることがあります。
ただし、発見されたとしても「消してよいか分からない」という理由で、再び台帳へ戻される習性があります。
資産管理台帳は、作成することよりも、継続して更新されることが重要です。
機器の追加・移設・廃棄といった変更が適切に管理されていない場合、
セキュリティリスクの増加
障害発生時の影響範囲不明
管理対象外機器の発生
といった問題につながります。
しかし、管理の仕組みを整備することで、
現在どこに何があるのか
誰が管理しているのか
いつ追加・変更されたのか
を把握しやすくすることができます。
横河レンタ・リースの Yellow Dash Support (YDS) では、IT資産管理や運用管理を支援する各種サービスを提供しています。
また、構成管理ツールである Yellow Dash を活用した構成管理基盤の整備や、運用ルール策定のご支援、さらには運用業務そのものをお任せいただくことも可能です。
「一台、足りない…」
この一言は、Excel運用に頼ったIT資産管理の限界を象徴しています。
台帳と現物のズレは、シャドーIT化やセキュリティリスクとして、いつか必ず姿を現します。
重要なのは、台帳を「作ること」ではなく、更新が「続く仕組み」を持つこと。
怪異は発見するだけでなく、生まれにくい環境を作ることも大切です。
横河レンタ・リース株式会社は日本ヒューレットパッカード社の Platinum パートナーとして、サーバーの販売から運用管理サービスまで幅広く提供しています。
Yellow Dash Support (YDS) では、単なるIT資産管理サービスだけではなく、その仕組みづくりからご支援しています。
「うちにも心当たりがあるかもしれない……」
と思った方は、ぜひお気軽にご相談ください。