ITインフラとは、情報システムを運用するために必要となる土台や基盤となる設備の総称です。具体的には、パソコンやサーバーなどの物理的な機器と、それらを動かすためのOSやネットワークなどのソフトウエアを組み合わせたものを指します。
ビジネスにおける「インフラ (社会基盤) 」という言葉通り、目には見えにくくても、止まってしまうと全ての業務がマヒする極めて重要な存在です。
まずは、具体的なITインフラの役割をみていきましょう。
システムの安定稼働を支え、業務を止めない事がITインフラの第一の役割です。どれほど優れたアプリケーションを導入しても、土台となるサーバーやネットワークが不安定であれば、システムは正常に動きません。24時間365日、必要なときに安定してITサービスを利用できる環境維持は、ビジネスを支える重要な要素です。
企業が保有する重要な機密情報や顧客データを守る事も、インフラの重要な責務です。ファイアウォールの設置やアクセス制限、データのバックアップ体制の構築など、セキュリティー対策はITインフラの一部として機能します。外部からの攻撃や内部のミスによる漏えいリスクへの備えは、企業の社会的信頼を保護する上で欠かせません。
ITインフラは日々の業務スピードを加速させ、生産性を向上させる役割も果たしています。高速なネットワークや高性能なサーバーを整備すれば、データの処理速度が上がり、従業員は待ち時間なく作業を進める事が可能です。テレワークのような柔軟な働き方も、強固なインフラがあってこそ実現できる仕組みといえるでしょう。
ITインフラは、大きくわけて「ハードウエア」「ソフトウエア」「ネットワーク」の3つで構成されています。それぞれ詳しくみていきましょう。
ハードウエアとは、ITインフラを構成する要素のうち、実際に手で触れられる物理的な設備全般を指します。
パソコンは、従業員が業務を行うために使用する端末で、ITインフラの基本となる機器です。デスクトップ型やノート型があり、業務内容に合わせた性能の選定が求められます。パソコンは、システム操作や情報確認など、日常業務の出発点です。
サーバーは、ほかのパソコンからの要求に応じて、データやサービスを提供する役割を持つコンピューターです。Webサイトを表示するためのWebサーバーや、メールを送受信するためのメールサーバーなど、用途によってさまざまな種類があります。
ストレージは、膨大なデジタルデータを長期間保存するための装置を指します。HDD (ハードディスクドライブ) やSSDが代表的ですが、ビジネスシーンではこれらを組み合わせた専用のストレージサーバーが一般的です。増え続けるデータを安全かつ高速に取り出せるように保管する、巨大な本棚をイメージしましょう。
ネットワークは、パソコンやサーバー同士を接続し、情報の通り道を作るための機器や配線です。ルータやスイッチ、LANケーブル、そしてWi-Fiといった無線通信技術が含まれます。これらが適切に設定されれば、社内でのデータ共有やインターネットへのアクセスが可能になります。
ソフトウエアは、ハードウエアを動かし、特定の処理を行わせるためのプログラムです。
OSは、パソコンやサーバーを動かすための最も基本的なソフトウエアです。WindowsやmacOS、サーバー向けのLinuxなどが有名ですが、ハードウエアの資源を管理し、人が操作できるように制御します。あらゆるアプリケーションは、OS上で動作するため、インフラの根幹を支える土台といえるでしょう。
ミドルウエアは、OSと特定のアプリの間に入り、専門的な機能を補助するソフトウエアです。データベース管理システムやWebサーバーソフトなどがこれに該当します。OSだけでは手が届かない高度な処理によって、複雑なシステム構築をスムーズにする役割を果たしています。
ITインフラは、その用途や提供形態によっていくつかの種類に分類されます。ここでは代表的な4つを紹介します。
データベースインフラは、情報を整理・蓄記し、効率よく検索・活用する事に特化した基盤です。顧客情報や売上データなど、企業の資産となるデータを一括管理するために構築されます。大量のデータを扱うため、高い処理能力と、データが壊れないための信頼性が強く求められます。
サーバーインフラは、システムの核となる各種サーバーの設置・運用に焦点を当てた区分です。物理的なサーバーマシンの用意から、その上で動くOSの設定までが含まれます。自社内に設置する「オンプレミス型」とインターネット経由で利用する「クラウド型」があり、企業の規模や予算に合わせて選ばれています。
ネットワークインフラは、社内外の通信環境を支える基盤です。有線・無線LANの整備や拠点間を結ぶ回線の構築が含まれます。通信障害が業務停止につながるため、安定性を重視した設計や障害時の対策が重要です。
クラウドインフラは、自社で物理的な機器を所有せず、サービス提供会社が用意した基盤をインターネット経由で利用する形式です。AWSや Microsoft Azure、Google Cloudなどが代表例で、必要な時に必要な分だけリソースを確保できる柔軟性がメリットです。初期費用を抑えやすく、運用の手間も削減できるため、現代の主流となっています。
ITインフラの構築は、機器を導入すれば終わりというものではなく、目的や業務内容に合わせて段階的に進めていく必要があります。
最初に行う要件定義は、どのようなインフラが必要なのか、目的や予算、必要な性能を明確にする工程です。「何人のユーザーが使うのか」「止まってはいけない時間はいつか」など、現場の要望を細かく洗い出します。この段階で方向性を誤ると、後の工程で全てやり直しになるため、最も慎重に進めるべき工程です。
要件定義に基づいて、実際に機器を購入したり、設定を行ったりするフェーズです。サーバーにOSをインストールし、ネットワーク機器の配線やIPアドレスの割り当てなどを進めていきます。設計書通りにシステムが組み上がるよう、技術的な作業が集中する段階といえるでしょう。
構築したインフラが、事前の計画通りに動作するかを確認する作業です。単に動くかどうかだけでなく、大量の負荷をかけても壊れないか、わざとLANケーブルを抜いてもバックアップ系に切り替わるかなどを厳しくチェックします。本番稼働後にトラブルが起きないよう、あらゆるケースを想定したテストが求められます。
システムが完成し、実際に利用が始まった後のフェーズが運用です。具体的には、日々の稼働状況を監視し、不具合の予兆があれば早めに対処するほか、定期的なメンテナンスやセキュリティーの更新などを行います。ITインフラは作って終わりではなく、この運用を継続する事でその価値を発揮し続けます。
ITインフラの構築では、最新の機器や技術を導入するだけでは十分とはいえません。続いては、ITインフラ構築を進める上で事前におさえておきたい注意点を解説します。
「なぜこのインフラを作るのか」という目的を最後までブレさせない事が重要です。最新の技術を取り入れる事自体が目的化してしまうと、無駄にコストがかかったり、使いにくいシステムになったりするおそれがあります。
システムを使うのは現場の人であるため、事前の聞き取りをおろそかにしてはいけません。管理側の都合だけで設計すると、現場の業務フローに合わず、結局使われないインフラになってしまいます。現在の不満点や、将来的にやりたい事を丁寧に吸い上げ、実情に即した構成を目指してください。
利便性を追求するあまり、セキュリティーを二の次にしてはいけません。パスワード設定のルール化やウイルス対策ソフトの導入、外部からの侵入を防ぐ壁の構築は必須です。一度でも重大な漏えい事故が起きれば、会社にとって致命的なダメージになります。
「システムは必ずいつか壊れる」という前提で、予備の手段を準備しておかなければなりません。たとえば、サーバーを2台構成にして1台が故障しても動くようにしたり、定期的にバックアップを自動で取る仕組みを作ったりなどがあげられます。災害のような不測の事態が起きても、速やかに復旧できる体制を整えておきましょう。
構築したインフラがスムーズに使えるかどうかは、必ず確認してください。使い手がスムーズに利用できなければ、せっかくの開発も意味をなしません。たとえば、セキュリティーが厳しすぎてログインに時間がかかりすぎたり、ネットワークが重くて作業効率が落ちたりしては本末転倒です。
ITインフラはパソコンやネットワークが複雑に連携して機能するため、安定稼働と強固なセキュリティーを両立させるには専門的な知見が欠かせません。このような基盤構築のパートナーとして、私たち横河レンタ・リース株式会社は日本ヒューレット・パッカード(HPE)の最上位パートナーである「Platinum Partner」として、25年以上にわたり国内トップクラスの実績を築いてきました。
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